機中八策~どならない、たたかない、ディスらない 非暴力コミュニケーションへの切替スイッチ~
更新:2022年11月10日
「機中八策とは」
「機中八策」は千葉県の児童相談所長(渡邉直氏)が考えた、子どもとのスムーズな対話術です。
専門性の高いペアレントトレーニングでもペアレントプログラムでもありません!
・どこにでもある、誰もが当たり前のように使っている行動・言葉をカード化して、「ひどいおとぎばなし」「ほまれかがやきを」と、頭文字つづりで覚えやすいようパッケージ化したものです。
・暴力的な雰囲気を醸し出し、そのカードを切られた人が青ざめてしまうような行動の切り札は、ブルーカードとして「ひ・ど・い・お・と・ぎ・ば・なし」の8枚
・非暴力的な雰囲気で、そのカードを切られた人がほっこり温かな気持ちになる行動の切り札は、オレンジカードとして「ほ・ま・れ・か・が・や・き・を」の8枚としました。
・合計16枚のカードで非暴力コミュニケーションに気づきやすくするための「気づきスイッチ(≒装置)」です。
・2012年の日本子ども虐待防止学会の帰りの飛行「機」の中で閃いたので、「機」中八策と命名しました。
(注釈)機中八策は渡邉直氏の登録商標です。なお、掲載内容については、渡邉直氏の許可を得ております。
あなたは相手がしてほしくない行動をした あるいは してほしい行動をしない そんな場面に直面した時 どの色のどの行動・ことばの切り札を切りますか?
コミュニケーションを円滑にするオレンジカード
ほ める(褒める)
ま つ(待つ)
れ んしゅう(練習)
か わり(代)にすることを提示
が んきょう(環境)づくり
いつも ちかづいて おだやかに しずかな 環境
や くそく(約束)
き もち(気持ち)に理解を示す
を ちつく(落ち着く)
伝わりにくいコミュニケーション ブルーカード
ひ ていけい(否定形)
ど (怒)鳴る叩く
い やみ(嫌)み
お ど(脅)す
と (問)う聞く考えさせる
ぎ (疑)問形
ば つ(罰)をあたえる
なし なじる(人格否定形)
例えば・・・学校から帰ってきたら宿題をすることになっているのに、子どもが宿題をせずにテレビを見ている・・・
こんな一言、ありませんか?
ちょっと青ざめるブルーカード | |
---|---|
何やってんの? | ぎ→疑問形 |
いつも言ってるでしょ!! | ど→怒鳴る、叩く |
テレビ見るなって!! | ひ→否定形(禁止) |
今日という今日は許さないからね!! | ど→(脅す) |
テレビ視てたから一週間テレビ禁止!! | ば→罰を与える |
これでいいと思ってんの?何する時間? | と→問う、聞く、考えさせる |
何回いっても分からないなんて、バカじゃないの? | なし→なじる |
はあ(ため息)・・・いつもこうだといいのにねえ・・・ | い→いやみ |
→頭文字を並べ替えると・・・「ひ・ど・い・お・と・ぎ・ば・な・し」
こんな感じにできれば、いいですよね。
ほっこり温かいオレンジカード | |
---|---|
深呼吸して気持ちを切り替える | お→落ち着く(感情) |
「テレビを消してもらえる」等子どもが話せる状態を待つ | ま→待つ |
穏やかに近づき(環境) | が→環境づくり(いちおし環境) |
テレビ視たいよね~でも・・・ | き→気持ちに理解を示す |
まずは宿題をしてほしい | か→代わりにする行動を提示 |
わかった?(子どもが)「わかった!」 | や→約束 |
じゃあ、学校から帰ってきたら何する? | れ→練習(確認・反復) |
えらい!!宿題が終わったらテレビ視ていいよ | ほ→褒める |
→頭文字を並べ替えると・・・「ほ・ま・れ・か・が・や・き・を」
本当は、オレンジカードは手持ちの切り札として、誰でも持っているものです
でも、人には感情があるので、オレンジカードを切るのが難しい時もあります。
もしも、「ブルーカードを切ることが多いなあ・・・」と感じるのであれば、オレンジカードを切れるようになる「気付きスイッチ(装置)」として「機中八策」を活用してみてはいかがでしょうか?
ちょとした練習を繰り返すことで、日常生活でオレンジカードをスムーズに切れるようになれると思います。
オレンジカードを切ると、子どもの心に「これでいいんだ」という自信・自己肯定感・自己効力感が育ちます。
たくさんの成功体験をした子どもは、自分で自分のことができる(考えられる)人として育ちます。
機中八策表紙
機中八策とは
こんなときに、子どもにはどのように接しますか?
ほまれかがやきを