物井古屋城跡広場
更新:2024年4月1日
左より原氏・臼井氏・関東公方足利氏(上)・佐倉千葉氏(下)・関東管領上杉氏・太田氏の家紋
物井北ノ作の古屋城跡(市指定文化財)
物井・もねの里地区を一望できる戦国時代の城跡
戦乱の世を生き抜き、坂東を駆け抜けた戦国武将たち
約500年の時を越えて、戦国四街道の城が現代の世に蘇ります。
物井古屋城は、鹿島川(旧物井川)を北東に望み、周囲をその支流、支谷、湿地帯に囲まれ、天然の要害ともいうべき台地上の自然地形を活かして造られた関東戦国時代(1455年から1590年)の城跡です。
城郭構造は、方形の主郭部を重厚な土塁と空堀が廻り、その周囲には障子堀、複数の曲輪、腰曲輪を置いています。主郭の中心域には、当時の井戸跡「白磁の井戸(市指定文化財)」もあり、戦国時代当時の城郭構造を体感できます。
そして古屋城東側の通称「屏風山」出城(坪名下木戸含む。現在消滅)、南側の「館ノ山」出城(字小屋ノ内・字馬場と坪名兵衛山含む。現在消滅)を併せ、中世物井村内一帯に築かれたその城塞(総称「物井城」)の規模から、有力土豪か国衆一族の戦国武将が居城、かつ有事の際には領民の避難所として機能していたと考えられます。
物井城は、本佐倉城(酒々井町・佐倉市)を中心とする戦国期千葉氏本家「千葉介孝胤・勝胤」の御一家「少納言(勝胤弟)」の子「物井右馬助」が戦国時代初期の城主であったと比定されており、その御一家に関係する人物と考えられる「金剛寺少弼」が村内の菩提山弘覚院金剛寺(御山の不動堂)僧侶・監察次官であったと考えられます。そして群雄割拠の戦国時代中後期には、千葉家執権職・小田原北条氏他国衆「小弓・臼井原氏」の治める地域になったと考えられています。
皆様ぜひお越しください。
- 参照
- 「千学集抜粋」・「妙見実録千集記」・「千葉実録」『改訂房総叢書』
- 黒田基樹「戦国期の千葉氏御一家」『千葉いまむかしNo.24』
- 外山信司「戦国期千葉氏の元服」『中世東国の政治構造』
- 高橋健一「四街道市の近世」四街道の歴史講演会
- 『四街道市史 近世編 史料集1』四街道市
- 井上哲朗「鹿島川流域における戦国前期城館の一形態」『研究連絡誌第53号』
- 『四街道市北ノ作遺跡』公益財団法人千葉県教育振興財団
- 『四街道市館ノ山遺跡』公益財団法人千葉県教育振興財団
- 樋口誠太郎・文化財グループ「二人の千葉勝胤について」『四街道の歴史第9号』
城内のご案内
自然地形を活かした城郭構造
「白磁の井戸」を中心とした主郭と周囲を廻らす土塁
古屋城跡第1入口の曲輪付近
古屋城跡第2入口の腰曲輪付近
古屋城跡第3入口の腰曲輪と巨大な土塁・空堀
曲輪から主郭周囲を廻る迫力の土塁
主郭・空堀と周囲を廻る迫力の二重土塁
主郭から出丸(物見)付近の空堀と土塁
城郭構造図
- 城内の急こう配・植物等、足元に十分ご注意ください
昭和52年物井古屋城発掘調査
主郭から出土した中世遺構と遺物
昭和50(1975)年に城内主郭中心域の畑から青銅製の和鏡が偶然発見されました(市指定文化財「亀甲つなぎ散らし双鶴亀鈕鏡」・個人蔵)。
その後、昭和52(1977)年6月に相川元文化財審議会委員を中心に古屋城跡一部の発掘調査を行い、現地見学会も行われました。調査区域は和鏡が出土した周辺域を行い、直径約90cm、深さ約5.5mの素掘り井戸跡が出土、中からは花崗岩製井戸の目、緑泥片岩製板碑断片、漆塗り木製椀断片、名称由来となった白磁茶碗底断片(北宋時代・定窯製)などを発見、井戸跡周辺からは灯明皿、五輪塔の空風輪、茶臼断片、北宋銭などが出土しました。これら出土遺物から中世領主層の城内における生活の一端がわかり、年代的には鎌倉時代から戦国時代まで長期に渡り城域が使用されていたとも考えられます。
- 写真:権利者の許可なく転載等することを禁じます
市指定文化財「亀甲つなぎ散らし双鶴亀鈕鏡」
発掘調査の様子
井戸内調査の様子
井戸脇から出土した花崗岩製の茶臼
出土した五輪塔の空風輪部分
所在地
物井古屋城跡広場周辺地図
- 四街道市もねの里4丁目23番地6
- 物井駅西口より徒歩15分
- 駐車場なし(千代田公民館駐車場(舗装なし)をご利用ください。公民館利用者優先です)
- トイレなし(千代田公民館をご利用ください。公民館事務室にお声掛けください)
- 千代田公民館近隣
- 城内に夜間用街灯はございません
物井古屋城跡広場の地図
マナーを守りましょう
- 出発前に文化財の所在地を確認してから出かけましょう。
- 文化財の中には現在でも信仰の対象になっているものがあります。失礼のないように見学しましょう。
- 私有地や神社などの建物の中に、無断で入ることのないようにしましょう。
- 文化財には非公開のものがありますので、事前によく調べるようにしましょう。
- 個人所有の文化財や、寺社及び仏像などは保管・管理の都合上、見学できないものがあります。
- 文化財を大切にする気持ち同様、動物や植物も傷つけないようにしましょう。
- ゴミは思い出といっしょに、家まで持ち帰りましょう。
お問い合わせ
教育委員会教育部文化・スポーツ課文化振興係
「物井古屋城跡広場」まで
電話:043-424-8934
ファクス:043-424-8923