熱中症は予防が大切です!
更新:2024年6月18日
熱中症は高温多湿な環境に長くいることで、次第に体の中の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもってしまう状態のことです。屋外だけでなく、温度や湿度が高い室内でも発症する危険があるので、注意が必要です。
重症化すると命にかかわることもある熱中症です。正しい知識と適切な行動で熱中症を予防しましょう。
また、家族やお友達など、身近にいる人の様子や体調にも配慮、注意しましょう。
熱中症を引き起こす主な3要素
熱中症を引き起こす条件には、気温が高い、湿度が高い、日差しが強いなどの環境条件のほか、乳幼児や高齢者、暑さに慣れていないなどの体の条件、長時間の屋外作業などの行動の条件があります。これらの環境条件の下で、体から熱が放出されにくくなることで熱中症が発生しやすくなります。
環境
・気温が高い(28度以上)
・湿度が高い(65パーセント以上)
・風が弱い
・日差しが強い
・急に暑くなった日
・閉め切った室内
・エアコンがない
からだ
・高齢者、乳幼児、肥満
・からだに障害のある人
・持病(糖尿病、心臓病、精神疾患等)
・低栄養状態
・脱水状態(下痢、インフルエンザ等)
・体調不良(二日酔い、寝不足等)
行動
・激しい運動
・慣れない運動
・長時間の屋外作業
・水分補給ができない状況
熱中症を予防するために
熱中症は、例年、梅雨入り前の5月頃から発生し、梅雨明け後の7月下旬から8月上旬に多発する傾向があります。
室内の工夫 ~高温多湿にならない環境づくり~
・室温は28度を超えないようにする
暑さを我慢せず、扇風機やエアコンを上手に使いましょう。
・日差しをさえぎる
遮光カーテンやすだれ、緑のカーテン(アサガオなどのつる性植物による日よけ)などを利用して、日差しによって室温が上がらないように調節しましょう。
・風通しをよくする
密閉された浴室やトイレ、寝室などは、換気扇や扇風機を活用する、ドアを開けるなど、意識して風通しをよくしましょう。
・環境をこまめにチェックする
室温をこまめにチェックしましょう。暑さ指数(WBGT)(注釈1)も参考にすると自分自身の環境にあった環境づくりをすることができます。
(注釈1)人体と外気との熱のやり取りに注目した指標です。1954年に熱中症を予防することを目的としてアメリカで提案されました。暑さ指数が高くなるほど危険な状態になります。環境省熱中症予防情報サイトで暑さ指数の実測値を見ることができるのでご活用ください。
外出時の工夫 ~日差しをよけて暑さ対策を~
・日傘や帽子の着用をする
帽子は通気性がよく、つばの広いものを選びましょう。
・天気の良い日は日中の外出をさける
運動場やプールなど、日差しの強い場所では、とくに注意が必要です。
・休憩はこまめにとる
風通りのよい木陰や屋内に入り、体を休めましょう。
・飲み物を持ち歩く
のどの渇きを感じなくても、こまめに水分補給をしましょう。
・日陰を選んで歩く
衣服の工夫 ~熱がこもらないように~
・通気性と速乾性を意識する
麻や綿など通気性の良い服を選びましょう。下着は吸湿性や速乾性に優れた素材を選びましょう。
・衣服の着方を工夫する
ゆったりした服を着用したり、襟元をゆるめたりすると、風通しがよくなり、発汗が促されます。
・衣服の色をを工夫する
炎天下では熱吸収しやすい黒色系の服は避けましょう。
日常生活の工夫 ~疲れや熱を体にためない~
・塩分の補給をする
たくさん汗をかいたときは、塩あめ、スポーツドリンク、0.1~0.2パーセントの食塩水などで、塩分の補給を心がけましょう。
・暑さに負けない体をつくる
バランスのよい食事や適度な運動と睡眠で、日ごろから体調を整えておくことが重要です。
・冷却グッズを活用する
冷たいスカーフや氷枕、氷のうなど冷却グッズの活用をしましょう。
・快適な睡眠環境にする
通気性や吸水性のよい寝具の使用や、エアコンのタイマーを活用して入眠前の環境を快適にしましょう。
高齢者・乳幼児は特に注意!
温度に対する感覚が弱くなっているため、暑さの自覚がなくても熱中症にかかる危険があるうえ、重症化しやすい高齢者と、体温調節機能が発達していない乳幼児は、熱中症にかかりやすいので要注意です。
<対策>
・定期的に水分補給をする。
・地面の熱に注意する。こどもの場合、背が低いので地面の照り返しをより強く受け、高い温度にさらされる危険があります。
・わずかな時間でも、車の中などの暑い環境に置き去りにしない。
・大人が子どもの様子をしっかりと観察する。
身近な人が熱中症になったときは
1.風通しの良い日陰や、クーラーが効いている室内等に避難させましょう。
2.衣服を緩め、皮膚を濡らしてうちわや扇風機で扇いだり、氷やアイスパックなどで冷しましょう。(首、わきの下、太ももの付け根を冷やす。)
3.冷たい水を持たせて、自分で飲んでもらいます。汗で失われた塩分も適切に補える経口補水液やスポーツドリンク等が最適です。食塩水(水1リットルに1~2グラムの食塩)も有効です。
4.呼びかけに答えない場合は救急車を呼びましょう。水分を自力で摂取できない、症状の改善が見られない場合は、医療機関を受診しましょう。