日本脳炎の予防接種
更新:2022年3月15日
日本脳炎とは
日本脳炎ウイルスの感染で起こります。ヒトから直接ではなくブタなどの体内で増えたウイルスが蚊(か)によって媒介(ばいかい)され感染します。7~10日の潜伏期間の後、高熱、頭痛、嘔吐(おうと)、意識障害、けいれんなどの症状を示す急性脳炎になります。ヒトからヒトへの感染はありません。
日本脳炎ウイルスに感染した人のうち100~1,000人に1人が脳炎等を発症します。脳炎のほか髄(ずい)膜炎(まくえん)や夏かぜ様の症状で終わる人もいます。脳炎にかかった時の死亡率は約20~40%で、神経の後遺症を残す人も多くいます。
流行は西日本地域を中心として日本全体に分布しています。飼育されているブタにおける日本脳炎の流行は毎年6月から10月まで続きますが、この間に地域によっては、約80%以上のブタが感染しています。以前は小児、学童に発生していましたが、予防接種の普及などで減少し、最近では予防接種を受けていない高齢者を中心に患者が発生しています。平成27(2015)年には10ヶ月児の日本脳炎確定例が千葉県から報告されています。また、平成28(2016)年は、高齢者を中心に11人の報告がありました。報告数が年間10人を超えたのは、平成4(1992)年以降初めてです。
副反応
主な副反応は、発熱、腫れ、じんましん、発疹などがあります。
その他予防接種との因果関係の有無にかかわらず医療機関から報告された重篤症例の発生頻度は0.0007%でした。
接種方法
乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンは、ベロ細胞という細胞でウイルスを増殖させ、ホルマリンでウイルスを殺し(不活化)精製したものです。
1期:対象年齢 生後6月~生後90月(7歳6か月)に至るまで(標準的には3歳に達したときから5歳に達するまで)
【接種間隔】
1期初回:6日以上の間隔をおいて2回(標準的には6日~28日の間隔をおいて2回)
追加:初回終了後6月以上の間隔おいて1回(標準的には初回終了後おおむね1年経過時期)
2期:対象年齢 9歳以上13歳未満(標準的には9歳~10歳に達するまで)で1回
予診票は、9歳の誕生日の翌月に個別で郵送します。