株式等の配当所得等および譲渡所得等に関する住民税
更新:2022年11月15日
令和5年分(令和6年度課税)から、上場株式等の配当所得等や譲渡所得等などの課税方式が統一されます
上場株式等の配当所得等や譲渡所得等、特定公社債等の利子所得等については、所得税と個人住民税において異なる課税方式の選択が可能とされてきましたが、金融所得課税は所得税と個人住民税が一体として設計されてきたことなどを踏まえ、公平性の観点から、令和6年度の市民税・県民税(個人住民税)(令和5年分の所得税の確定申告)より、課税方式を所得税と一致させる改正がなされました。(令和4年度税制改正)
この改正により、所得税で申告不要を選択した場合は、市民税・県民税(個人住民税)でも申告不要となり、所得税で総合課税(分離課税)で確定申告を行った場合は、市民税・県民税(個人住民税)においても総合課税(分離課税)で申告したこととなり、所得税と市民税・県民税(個人住民税)とで異なる課税方式を選択することができなくなります。
所得税で配当所得等・譲渡所得等を申告すると
- 所得税で上場株式等の配当所得等や上場株式等の譲渡所得等を確定申告すると、これらの所得は市民税・県民税(個人住民税)でも合計所得金額や総所得金額等に算入されることになります。
- 扶養控除や配偶者控除などの適用、非課税判定、国民健康保険料や後期高齢者医療保険、介護保険料などの算定に影響が出たり、各種行政サービスなどに影響が出たりする場合がありますのでご注意ください。
所得税の確定申告について詳しくは、国税庁ホームページ「税について調べる」のページをご覧ください。
所得の種類 | 選択できる課税方式 | ||
---|---|---|---|
上場株式等の配当所得等 | 総合課税 | 申告分離課税 | 申告不要制度 |
上場株式等の譲渡所得等 | - | 申告分離課税 | 申告不要制度 |
特定公社債等の利子所得等 | - | 申告分離課税 | 申告不要制度 |
所得税の確定申告において上記のいずれかを選択した場合は、その後、修正申告や更正の請求において、その選択を変更することはできません。
詳しくは、国税庁ホームページ「確定申告で申告しなかった上場株式等の利子および配当を修正申告により申告することの可否」をご覧いただくか、最寄りの税務署にお問い合わせください。
確定申告で申告しなかった上場株式等の利子及び配当を修正申告により申告することの可否(国税庁ホームページ)
上場株式の配当所得
総合課税を選択する場合
住民税の税率が10%になり、配当控除が適用できます。また、これら申告した所得金額が合計所得金額、総所得金額等に算入されます。
申告分離課税を選択する場合
住民税の税率は5%で、あらかじめ特別徴収されている税率と同じです。上場株式等の譲渡損失と損益通算できます。これら申告した所得金額が合計所得金額、総所得金額等に算入されます。
申告不要制度を選択する場合
5%の特別徴収で課税が終了します。申告しないため、これらの所得金額は合計所得金額、総所得金額等に算入されません。ただし、支払いを受ける際に源泉徴収が行われるものに限ります。特定口座(源泉徴収なし)で受ける上場株式等の配当所得等については、申告不要は選択できません。
上場株式等の譲渡所得等・特定公社債等の利子所得等
申告分離課税を選択する場合
住民税の税率は5%で、あらかじめ特別徴収されている税率と同じです。上場株式等の譲渡損失と損益通算できます。これら申告した所得金額は合計所得金額、総所得金額等に算入されます。
申告不要制度を選択する場合
5%の特別徴収で課税が終了します。申告しないため、これらの所得金額は合計所得金額、総所得金額等に算入されません。ただし、支払いを受ける際に源泉徴収が行われるものに限ります。特定口座(源泉徴収なし)で受ける上場株式等の譲渡所得等・特定公社債等の利子所得等については、申告不要は選択できません。
注意事項
- 申告不要を選択された場合、配当割額、株式譲渡所得割額の控除は適用されません。
- 同一の源泉徴収あり特定口座内の上場株式等に係る利子等の金額および配当等の金額と上場株式等の譲渡損失は、その特定口座内で損益通算されています。
- 源泉徴収されない特定口座(簡易申告口座)および一般口座での取引に係る株式等譲渡所得等、大口株主等分の上場株式等の配当所得等、一般株式等の配当所得等を申告不要とすることはできません。
所得税、確定申告に関するお問い合わせ
成田税務署
電話:0476-28-5151
お電話は、自動音声に従ってご用件の番号を選択いただくと、担当者がご用件にお答えします。
株式等の配当所得等および譲渡所得等に関する住民税
- 株式等の配当所得等は、ほかの所得と区分し特別な税率で計算する分離課税、その他の所得と併せて計算する総合課税、源泉徴収を選択した特定口座内での源泉分離課税のいずれかで住民税が計算されます。
- 株式等の譲渡所得等は、ほかの所得と区分し特別な税率で計算する分離課税または、源泉徴収を選択した特定口座内での源泉分離課税のいずれかで住民税が計算されます。
「申告が不要な所得(源泉徴収・特別徴収が行われる所得)」と「申告が必要な所得」は次のとおりです。
申告が不要な株式等の譲渡所得等・配当所得等
税の申告・納税を代行する証券会社等に開いた特定口座内の上場株式等の譲渡所得や配当所得に対する所得税・住民税は、証券会社や配当支払者等が源泉徴収・特別徴収することで納税が完了します。従って、個人からの申告は原則不要です。
株式等の譲渡所得等
源泉徴収を選択した特定口座内の上場株式等の譲渡所得等からは、所得税の源泉徴収と住民税の特別徴収がされます。
株式の配当所得等
大口保有上場株式を除く上場株式等、公募証券投資信託等の配当所得等からは、所得税の源泉徴収と住民税の特別徴収がされます。
申告が必要な株式等の譲渡所得等・配当所得等
株式等の譲渡所得等
次の譲渡所得等については、申告のうえ住民税を納める必要があります。
- 源泉徴収を選択しないこととした特定口座内のでの上場株式等の譲渡所得等
- 一般口座内での上場株式等の譲渡所得
- 証券会社を通さず個人で売却した上場株式等の譲渡所得等
- 未上場(未公開)株式等の譲渡所得等
株式等の配当所得等
次の配当所得等については、申告のうえ住民税を納める必要があります。
- 未上場(未公開)株式等の配当所得等
- 大口保有上場株式等(発行株式総数の3%以上保有)の配当所得等
- 私募証券投資信託等の配当所得等
申告不要な譲渡所得等・配当所得等を申告する場合
申告が不要な株式等の譲渡所得等・配当所得等を申告することで、株式等譲渡割額控除、配当割額控除や配当控除の適用を受けることができます。
また、上場株式等の配当所得等と上場株式等の譲渡損を損益通算することも選択できます。損益通算した場合は、配当控除の適用はありません。
申告をする場合の注意事項
- 申告した場合は合計所得金額に算入されるため、配偶者控除や扶養控除に影響を及ぼす場合があるほか、所得金額を基に計算される国民健康保険料(税)等に影響を及ぼす場合があります。
- 対象年度の納税通知書が送達される日までに、確定申告書Aの2表「特定配当等の全部の申告不要」(確定申告書Bは2表「特定配当等・特定株式等譲渡所得の全部の申告不要」)に○を記入することにより、所得税は総合課税、住民税は源泉分離課税というように、所得税とは異なる課税方法を選択することができます。(令和4年分申告まで。令和5年分申告からは所得税と異なる課税方法は選べません。)