四街道の歴史 よもやま話18
更新:2024年4月1日
四街道に残る近代遺産
亀崎地区の鹿島川沿いに、JR総武本線の前身である私鉄「総武鉄道」で使われていた物井川橋梁亀崎鉄橋の橋台跡が残っています。「総武鉄道」は、明治27年(1894)に市川~佐倉間で開業し、昭和43年の複線化により現在の線路に変更になるまで、蒸気機関車が走行していました。
総武鉄道物井川橋梁亀崎橋台
鹿島川(物井川)の低湿地を通るため、橋台の軌道敷は盛土により築堤し、端部には土留めのための石を積み上げています。橋梁は鉄桁(鋼板製)で、橋台部分はオランダ積みと呼ばれるレンガ造りです。橋桁を支える部分は、補強のために花崗岩(御影石)製の床石を配しています。
また、橋台に使用されたレンガには、東京の小菅囚治監の煉瓦製造所(現在の東京拘置所)で製造されたものが認められます。このレンガは同時期に建築された旧法務省の建物でも使われており、日本製レンガの初期段階のものです。
伝えたい千葉の産業技術100選
この路線は千葉県内で最初に開通した鉄道路線であり、その当時に建造されたこの橋台は、県内最古の鉄道遺構のひとつとして貴重な構造物です。物井川橋梁亀崎橋台跡は、令和2年3月に千葉県立現代産業科学館選定の「伝えたい千葉の産業技術100選」に登録されました。
所在地・注意事項
・四街道市亀崎地先
・駐車場なし(道幅が非常に狭くなっておりますので、ご注意ください)
・トイレなし
・街灯なし
総武鉄道亀崎鉄橋と蒸気機関車(昭和42年頃)
物井川橋梁亀崎橋台跡