四街道の歴史 よもやま話14
更新:2024年4月1日
市内唯一の人物埴輪
古墳時代後期(約1500年前)になると、房総にも古墳に埴輪を立てる風習が広がります。また、後期後半には、印旛沼周辺を中心に「下総型(しもうさがた)埴輪(はにわ)」と呼ばれる地域性の強い埴輪が用いられるようになります。今回は、物井地区の発掘調査で、清水遺跡から見つかった下総型埴輪について紹介します。
【清水遺跡】
この遺跡は、物井古墳広場の県道を挟んだ反対側に位置しています。発掘調査は昭和60年から長きに行われ、前方後円墳1基を含む17基の古墳が見つかりました。この中の円墳であるS08号墳の周溝から、埴輪が出土しました。この円墳は、古くは「ぼんてん塚」と呼ばれ、このあたりでは最も大きな塚だったようです。残念ながら、調査時点では墳丘(盛土)は残っていませんでした。この古墳は、埴輪の特徴や土器等から、6世紀後葉~末頃に営まれたものと考えられます。
【人物埴輪】
この円墳からは、円筒埴輪・朝顔形埴輪・形象埴輪(人物埴輪含む)が見つかっています。人物埴輪は13個体ほどで、うち2個体は、全体像がわかるまで復元できました。
下総型の人物埴輪は、小型で、足が表現されない半身像、細長い切れ長の目、短く指の表現がない手などの特徴をもっています。この古墳から見つかった埴輪もこの特徴をもっており、典型的な下総型埴輪といえます。なお、四街道市内で、形の分かる人物埴輪が見つかっているのは、この古墳だけです。
また、この古墳は印旛沼を中心とする下総型埴輪の分布域の最も南端に位置しています。おそらく、印旛沼に注ぐ鹿島川を利用し、文化がこの地域に波及してくる際に、下総型埴輪も伝わったのでしょう。
清水遺跡の人物埴輪
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