まちの記憶 #93 元入江パーマネント屋さんの洋館
更新:2024年9月26日
1997年6月中旬の頃
四街道市和良比250番地付近に、昭和初期(今から約90年前)の洋館があった。戦時中、この洋館に陸軍野戦砲兵学校の校長、入江中将が住んでいた。従兵(将校に付き従い、身の廻りの世話をする兵士)を御供に、馬で野砲校に通っていたという。通路側に半円形の窓が3つあるなど(通常は2つ)、中々立派なものだ。
戦争がおわり、進駐軍総司令部のマッカーサーの命令によって、高級軍人は総て公職より追放された。そこで、入江中将の奥さんがパーマネント屋さんを始めた。入江パーマネントがそれ。
日本が独立し、様々な制限が解除され、入江パーマネントは閉店した。建物は、その後長く無人のままだった。すっかり老朽化したため、1998年暮れに取り壊された。軍都四街道を象徴する建物の1つが消え去ったと言えよう。
描かれた場所
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まちの記憶について
まちの記憶は、四街道市内のかつての風景と、その場所にまつわるエピソードを添えたコラムです。四街道市に生まれ育ち、その地で70年以上暮らしている画家の福田芳生が、記憶をたどりながら描いた色鉛筆画とテキストで綴ります。(絵・文:福田芳生)まちの記憶について